外資系トップインタビュー ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社|インタビュー│外資系企業への転職はISS
2012/04/09 公開
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ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社
代表取締役社長 鳥居 正男 氏
ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社 代表取締役社長 鳥居 正男 氏
1947年、神奈川県生まれ。71年、アメリカ メリーランド州ロヨラカレッジ経営学部卒業。75年、上智大学国際学部経営学修士課程修了。92年、ハーバード大学AMP。71年、日本ロシュ入社。社長室長、試薬部長を経て、83年から87年までアメリカとスイスのホフマン・ラ・ロシュ社に出向。91年、取締役医薬本部長を経て92年、常務取締役。93年、ローヌ・プーランローラー社長。95年、シェリング・プラウ社長。後に会長。2010年より現職。
ロバートe.lee彼は戦争をarter何をしたんでした
marlbe滝新聞
日本法人は日本人が働いている。日本人社員のために、本当にいい会社を作りたい
Q:グローバルな環境で活躍する「外資系トップ」として、信念にしていることを教えてください。
東日本大震災から4ヶ月後、ベーリンガーインゲルハイムで年に3回行われているドイツ本社での経営会議がありました。私は、日本の震災についての話をしました。日本で緊急対策本部長を務めていた私は、ドイツ本社がどのくらい真剣に日本について心配してくれていたか、よく知っていたからです。社員に被災者がいたこともあり、日本という国、日本人全体について彼らは本当に心を痛めてくれていました。
写真のスライドも見せながら、約30分。出席していた40名の本社の幹部と主要国の代表は、食い入るように私の話を聞いていました。そんな姿を見ていると、私にも自然、力が入ります。日本の今の姿を伝えようと、懸命でした。スピーチが終わると予想もしていなかったことが起こりました。拍手が起きたのです。会議で拍手など、これまで見たこともない。ところが、それが鳴り止まないんです。1分経っても、2分経っても鳴り止まない。
私は思いました。これは、日本人全体に対するねぎらいの拍手なのではないか、と。日本、頑張ったね、日本人、頑張ったね、と。いつ終わるのかわからない拍手の中で、私は頭を下げながら、本当に感動していました。胸が熱くなりました。そして改めて思いました。日本の震災についてきちんと伝えることができて、本当に良かった、と。
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初めての日本人トップということで本社には心配もあったはずです。しかも、外部から迎えた。でも、全面的な信頼感をいただけました。震災のこともそうですが、やっぱり最後は、日本の中では日本人にしかわからないことがあるんです。もし今回、日本人の私がトップでいなかったら大変だった、と本社も言っていました。わからない部分はわかる人に任せる。それが本当にできる会社なんですね。最初から、あなたの一番いい方法でやってほしい、と言われています。私としては、その信頼をさらに強固にすることをまず考えています。そして社員と、お客さまとの信頼関係をさらに強くしたい。
経営者の仕事の魅力は、自分次第で社員と社員の家族を幸せにできることです。自分のためではなく、社員のために日々仕事ができる。外資系といっても、日本法人は日本人が働いている。日本人社員のために、本当にいい会社を作りたい。私はそう思っています。
重要なことは、何を話すか。日本人として日本の教養をしっかり理解しておくこと。日本人らしい答えが出せること。
Q:「英語力」というテーマですが、グローバルな環境でのコミュニケーション力についてお聞かせください
外資系企業にいると、いろんな国の人たちと交わることになります。面白いのは、だからこそ逆に、日本の良さを再認識させられることになることです。実は日本よりも海外の人のほうが、日本を高く評価しているんですね。日本はこの20年、あまりいいことがなかったとよく言われます。自信をなくし、未来も悲観論が流れている。でも、海外の人から見れば、必ずしもそうではありません。日本の文化や歴史への関心は大変なものです。日本人の教養の高さも、世界の人はよく知っている。震災で世界が驚嘆したマナーの良さにしても、ずっと前から海外の人は気づいていました。
グローバルコミュニケーションとは、むしろ日本の良さを見直すことでもある。私はそう思っています。日本人とだけコミュニケーションをしていたのでは見えてこないものが、見えてくるようになるんです。
グローバルな環境で仕事をしてきて良かった、と今もよく思います。日本人としての良さがわかることもそうですが、一方で外国人の素晴らしさにも触れることができます。とりわけトップエリートたちには、人間としての深みがある。経営会議のために本社に行っても、みんな忙しいのに会いたいというと必ず時聞を作ってくれるんですね。しかも、10分だけ時間をもらって、10分しかないから、と私が急ごうとすると「まあまあ、ところで日本の天気はどう?」と言う。「How are you?」からしっかりやろう、というわけです。大人なんですよ。人間としてちゃんとしているんです。
意外に知らない人もいますが、英語にも礼儀作法があります。例えば、反対意見を言ったり、非難をする時にも、まず相手の発言に配慮することが大切です。「その意見もいい。でもね〜」と言う。ただ英語をしゃべろうとすると、こういうことを忘れる。若いときの私がそうでした。ちょっと英語ができるようになると勘違いしてしまうんです。西洋人だからどんどん意見すればいい、と。でも、メールを見ても、外国の人たちはとても配慮します。強い反対意見であった場合でも、とてもマイルドに書いてくる。前後をやさしく包んでいる。そういう配慮が必要なんです。
ただし、英語はどこまで行ってもツールであることは間違いありません。重要なことは、何を話すか。日本人として日本の教養をしっかり理解しておくこと。日本人らしい答えが出せること。もっと言えば、しっかりとした自分の意見を持つこと。実は日本人には、これが一番足りないかもしれない。英語を使って、自分の意見を言う練習をする。それが何よりの有効な英語勉強法だと思います。
Text by 上阪 徹
(書籍「外資系トップの英語力」では、鳥居氏インタビューについて、さらに詳しい内容を掲載しています)
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